「顧客管理がバラバラで、商談の進捗が見えない…」「リードの優先順位付けに時間がかかりすぎる…」
中小企業やスタートアップの営業担当者なら、こんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。私も以前は複数のツールを行き来しながら顧客情報を管理する日々で、効率の悪さに頭を抱えていました。
そんな中で出会ったのが「Freshsales(フレッシュセールス)」です。今回は実際に使ってみて感じた、このCRMツールの魅力と課題について詳しくレビューしていきます。
1. 当社が抱えていた営業管理の課題とFreshsalesとの出会い
1.1. 複数ツールを使い分ける非効率な営業プロセス
私が所属する小規模なマーケティング会社では、顧客情報はExcel、メールはGmail、タスク管理はTrelloと、複数のツールを使い分けていました。情報が分散していたため、顧客対応の履歴を確認するだけでも複数のツールを行き来する必要があり、非常に非効率でした。
特に新規メンバーが入社した際は、どこに何の情報があるのかを説明するだけでも一苦労。チーム全体の生産性低下につながっていました。
1.2. リード管理と顧客フォローアップの難しさ
問い合わせの増加に伴い、どのリードを優先的に対応すべきか判断するのが難しくなっていました。「この見込み客はどのくらい購入意欲があるのか?」「前回のフォローはいつだったか?」といった情報を即座に把握できず、商談の取りこぼしが発生していたのです。
1.3. データ分析と売上予測の精度不足
営業活動の効果測定も大きな課題でした。どの営業活動がどれだけ成果に結びついているのか、次月の売上はどれくらい見込めるのかといった分析が直感的にできず、経営判断に必要なデータが不足していました。
2. Freshsalesの主な機能と特徴
2.1. AI搭載のリード管理・スコアリング機能で見込み客を自動評価
Freshsalesの最大の特徴は、AI搭載のリードスコアリング機能です。問い合わせしてきた見込み客の行動(ウェブサイト訪問回数、資料ダウンロード、メールの開封率など)を自動で分析し、購入意欲の高さをスコア化してくれます。
例えば、ある見込み客が当社のウェブサイトを頻繁に訪問し、価格ページを何度も閲覧していれば「購入意欲が高い」と判断され、高いスコアが付与されます。これにより、営業担当者は優先的にアプローチすべき見込み客を一目で把握できるようになりました。
実際に導入後は、リードの優先順位付けにかかる時間が約70%削減され、商談成約率も15%向上しました。「どのリードから対応すべきか」という判断に迷う時間が大幅に減ったのです。
2.2. メール追跡とワンクリック通話機能で顧客とのコミュニケーションを効率化
Freshsalesには、メール追跡機能が搭載されています。送信したメールが開封されたかどうか、添付ファイルが閲覧されたかどうかをリアルタイムで確認できるため、フォローアップのタイミングを逃しません。
また、システム内から直接電話をかけられるワンクリック通話機能も便利です。顧客情報を見ながら通話でき、通話内容も自動で記録されるため、後から「あの顧客とどんな会話をしたっけ?」と悩むことがなくなりました。
特に在宅勤務が増えた昨今、個人の携帯電話から顧客に連絡する必要がなくなり、プライベートと仕事の境界を明確にできるようになったのは大きなメリットです。
2.3. カスタマイズ可能な営業パイプラインで商談管理を視覚化
Freshsalesでは、自社の営業プロセスに合わせてパイプラインをカスタマイズできます。「初回接触」「提案書提出」「商談中」「成約」といった各ステージを設定し、ドラッグ&ドロップで案件を移動させるだけで進捗状況を視覚的に管理できます。
これにより、各案件がどのステージにあるのか、どの案件が停滞しているのかが一目瞭然となり、チーム全体の商談状況を把握しやすくなりました。週次ミーティングでも「現在の商談状況」を共有する時間が大幅に短縮され、より戦略的な議論に時間を使えるようになっています。
2.4. レポート・分析機能で営業活動の効果測定と改善点を発見
Freshsalesのダッシュボードとレポート機能は非常に直感的です。営業担当者ごとの成績、商談の成約率、平均商談期間など、様々な指標をグラフやチャートで確認できます。
例えば、「どの営業担当者がどの商品をよく売っているか」「どのステージで商談が停滞しやすいか」といった分析が簡単にできるため、チームの強みや改善点を特定しやすくなりました。
特に経営層からは「データに基づいた営業戦略の立案ができるようになった」と高く評価されています。
3. 実際の使用感と導入効果
3.1. セットアップから運用開始までのスムーズな流れ
Freshsalesの導入は予想以上にスムーズでした。直感的なUIのおかげで、専門的なIT知識がなくても基本的な設定は数時間で完了。既存の顧客データもCSVファイルで一括インポートできたため、移行の手間も最小限で済みました。
また、オンラインでのトレーニングセッションも充実しており、チームメンバー全員が2週間程度で基本操作をマスターできました。特に営業経験の浅いメンバーからは「営業プロセスが可視化されているので、次に何をすべきかが明確になった」という声が上がっています。
3.2. チーム全体の営業生産性が30%向上した具体例
Freshsales導入後、最も大きな変化は営業活動の効率化です。具体的には以下のような効果がありました:
- リード対応時間が平均40%短縮(優先順位が明確になったため)
- 商談の成約率が15%向上(適切なタイミングでフォローアップできるようになったため)
- 新規顧客獲得数が月平均20%増加
- 営業担当者一人あたりの管理顧客数が30%増加(効率化により対応能力が向上)
特に印象的だったのは、以前は1日の大半を情報整理に費やしていた営業担当者が、Freshsales導入後は顧客との対話時間を増やせるようになったことです。「ツールのために働くのではなく、ツールが自分のために働いてくれる」という実感が生まれました。
3.3. 顧客データの一元管理によるナレッジ共有の実現
顧客情報が一元管理されるようになったことで、チーム内のナレッジ共有も格段に向上しました。例えば、ある営業担当者が休暇中に彼の担当顧客から問い合わせがあった場合でも、過去のやり取りや提案内容をすぐに確認できるため、スムーズな対応が可能になりました。
また、新しいメンバーのオンボーディングも容易になり、「顧客情報がどこにあるのか分からない」という状況がなくなりました。結果として、チーム全体の対応品質が均一化され、顧客満足度の向上にもつながっています。
4. 他のCRMツールと比較したFreshsalesの強み
4.1. Salesforceと比較:コストパフォーマンスと使いやすさで優位
大手CRMのSalesforceと比較すると、Freshsalesは圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。Salesforceが持つ高度な機能の多くをカバーしながらも、価格は約3分の1程度。特に中小企業やスタートアップにとっては、初期投資を抑えられる点が大きな魅力です。
また、Salesforceは非常に多機能である反面、設定や運用に専門知識が必要になることが多いのに対し、Freshsalesは直感的なUIで学習コストが低いのも特徴です。「使いこなせないほど複雑な機能は必要ない」という企業には最適な選択肢と言えるでしょう。
4.2. HubSpotと比較:営業特化機能と柔軟なカスタマイズ性
マーケティングオートメーションで有名なHubSpotのCRMと比較すると、Freshsalesは純粋な営業活動支援に特化している印象です。HubSpotがマーケティングからセールスまでの幅広い機能を提供する一方、Freshsalesは営業プロセスの効率化と可視化に焦点を当てています。
特にAIによるリードスコアリングや営業予測の精度は、同価格帯ではFreshsalesの方が優れていると感じました。また、HubSpotの無料版から有料版へのステップアップ時のコスト増加が大きいのに対し、Freshsalesは段階的な機能拡張がしやすい料金体系になっています。
4.3. Zoholと比較:直感的なUIとAI機能の充実度で差別化
同じく中小企業向けCRMとして人気のZoho CRMと比較すると、Freshsalesはより現代的でクリーンなUIが特徴です。特に日々の営業活動で頻繁に使う機能へのアクセスのしやすさは、Freshsalesの方が優れていると感じました。
また、Freshsalesの「Freddy AI」による自動化機能は、Zohoの同等機能よりも使いやすく設定も簡単です。例えば、メールテンプレートの自動提案や、次のアクションの推奨など、AIがさりげなくサポートしてくれる機能は日々の業務効率化に大きく貢献しています。
5. こんな企業・チームにおすすめ
5.1. 中小企業から成長期のスタートアップ企業
Freshsalesは特に従業員10〜100人程度の中小企業やスタートアップに最適です。大企業向けCRMのような複雑な設定や高額な初期投資が不要で、必要な機能を必要なだけ利用できる柔軟性があります。
特に「これから本格的に営業組織を構築したい」「今までExcelで管理していたが限界を感じている」という成長フェーズの企業にとって、導入障壁の低さは大きなメリットでしょう。
5.2. 営業プロセスを体系化したいBtoB営業チーム
複数の商談を同時に進行させるBtoB営業チームにとって、Freshsalesのパイプライン管理機能は非常に有効です。商談の進捗状況を視覚化することで、「どの案件にリソースを集中すべきか」「どの段階で停滞しやすいか」といった分析が容易になります。
また、営業プロセスを標準化したいチームにとっても、Freshsalesのワークフロー設定は役立ちます。「初回接触後3日以内にフォローメールを送る」「提案書提出後1週間でフォロー電話をする」といったルールを設定し、チーム全体で一貫した対応ができるようになります。
5.3. 顧客データを活用した戦略的な営業活動を目指す企業
「なんとなく」の営業から脱却し、データに基づいた戦略的な営業活動を行いたい企業にもFreshsalesはおすすめです。どの商品がどのような顧客に売れやすいのか、成約までの平均期間はどれくらいかなど、様々な角度から営業データを分析できます。
特に「なぜ成約したのか/しなかったのか」の要因分析ができるようになると、営業トークや提案内容の改善につながり、チーム全体の成約率向上に貢献します。
6. 改善してほしい点と気になる部分
6.1. 日本語対応の精度と日本向けサポートの充実度
Freshsalesは基本的に英語圏発のサービスであるため、日本語対応にはまだ改善の余地があります。インターフェースは日本語化されていますが、一部翻訳が不自然な箇所や、AIによる自動提案機能が日本語コンテンツに対しては英語ほど精度が高くない印象です。
また、日本向けのサポート体制も発展途上で、問い合わせ対応が英語中心になることもあります。日本語ドキュメントやトレーニング動画なども、もう少し充実させてほしいところです。
6.2. 高度な分析機能は上位プランでしか使えない制限
基本的な分析機能は標準プランでも利用できますが、より詳細な分析やカスタムレポートの作成は上位プランでないと使えません。例えば、複数の条件を組み合わせた高度なセグメント分析や、カスタムダッシュボードの作成などは、より高額なプランへのアップグレードが必要です。
中小企業にとっては、コスト面で上位プランへの移行を躊躇するケースもあり、もう少し標準プランでも分析機能が充実していると嬉しいところです。
6.3. 他Freshworksツールとの連携は便利だが依存度が高まる懸念
Freshsalesは同じFreshworks社が提供するカスタマーサポートツール「Freshdesk」やマーケティングツール「Freshmarketer」との連携が非常にスムーズです。これは一つのエコシステム内で顧客体験を一元管理できる大きなメリットですが、反面、Freshworks製品への依存度が高まるというリスクも感じます。
将来的に他のツールに移行したくなった場合のデータポータビリティや、他社製品との連携の柔軟性については、もう少し選択肢が広がるとより安心して利用できるでしょう。
まとめ:営業活動の効率化と可視化を実現するFreshsales
Freshsalesは、複数ツールに分散していた顧客情報を一元管理し、AIの力で営業活動を効率化できる優れたCRMツールです。特に中小企業やスタートアップにとって、コストパフォーマンスの高さと使いやすさは大きな魅力となるでしょう。
導入後、当社の営業チームは情報整理の時間を大幅に削減し、より多くの時間を顧客との対話に使えるようになりました。リードスコアリング機能により優先すべき見込み客が明確になり、商談の取りこぼしも減少。結果として売上向上につながっています。
もちろん、日本語対応の精度や一部機能の制限など、改善の余地はありますが、それを差し引いても十分に価値のあるツールだと実感しています。営業プロセスの標準化と効率化を目指す企業にとって、Freshsalesは強力な味方になってくれるでしょう。
※この記事は「メルマガクチコミナビ|マーケティング担当者のための口コミ・評判サイト」の編集部に寄せられた各商品・サービスへの口コミ

